廈門本島―思明北路とその周辺を散策

前項では廈門(アモイ)一の観光地コロンス島をご紹介しました。しかし廈門の魅力はまだまだあります。今回は廈門本島とその周辺をご案内します。

コロンス島行きのフェリー乗り場からほど近いところに思明北路という大通りがあります。ここも西洋風の建物が並んでいる調和のとれた美しい街並みです。建物をよく見ると二階部分が下の歩道に被さるようにせり出しており、雨に濡れずに出歩くことができます。こうした建築を騎樓と呼び、福建省や台湾、マレーシアなどでよく見られます。

中山路

※写真は廈門の中山路

これらの地域では夏の昼間に西北雨(サイパッホー)と呼ばれる激しい通り雨が降るため、歩道の屋根は本当に重宝します。

ここ思明北路は洋服店やレストラン、映画館などが並ぶ廈門の繁華街です。高級ブランド店の狭間に創業百年を誇る菓子屋などが残っており、中国らしい伝統もしっかり感じられます。

オイスター

今では廈門は国内外の多くの人を惹きつける大都市ですが、かつては多くの華僑移民を輩出する「僑郷」として知られていました。現在福建省にルーツを持つ華僑華人は世界に一千万人いるとされており、そのうちかなりの人口が廈門港から東南アジアなど方々へと旅立ちました。

そんな華僑の歴史を詳しく学べるのが廈門の華僑博物館です。廈門から英領マラヤに移住し、ゴム園経営で成功した華僑の陳嘉庚が寄付して設立された華僑博物館はとても立派で、手前の広場も綺麗に整備されています。

内部は東南アジアで肉体労働に従事し必死に生きてきた華僑一世や、その子孫が成功し繁栄した様子、また日本の華人学校である神戸中華同文学校の教科書なども展示されています。華僑華人が少し身近に感じられますね。

ちなみにここ華僑博物館をはじめ中国の国立博物館はどこも無料で見学できます。強力な政府の意外な恩恵です。

また廈門は対岸の台湾とも縁の深い街です。廈門島の東側に大嶝島(ダイトウ島)という島がありますが、ここは国共内戦の激戦地でした。1949年に国民党軍はこの島を失い台湾に撤退、勝利した共産党軍はこの島を占領し、戦勝記念公園として整備して大々的に勝利を宣伝しています。

公園では国共内戦がいかに壮絶な戦いであったかを展示していますが、戦争はすでに過去の話となり、平和な現在では公園の向かいに台湾免税公園というショッピングエリアが作られました。

国民党軍を台湾に追いやった記念すべき島ですが、今ではその台湾の製品を免税で販売する特区に生まれ変わりました。廈門旅行のついでに台湾の商品まで購入できる、一粒で二度美味しいエリアです。大嶝島は廈門本島と橋で繋がっており、市街地から直行バスが出ています。

中国、西洋、東南アジアに台湾、あらゆる文化が一つに凝縮された街、廈門。あなたもぜひこの街でお手軽世界旅行を体験してください。